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施術の選択肢
海外における斜頭症治療の選択肢
医学的問題によらない斜頭症(頭の形のゆがみ)は命にかかわる病気ではありませんが、お子様の健康や生活の質にも影響を与えうる問題です。
また、頭の形のゆがみは自然に治るとは言えません。
ですから、アメリカなどの欧米諸国では積極的に治療を選ぶお母さんが多いようです。
斜頭症の治療には、いくつかの選択肢があります。
①仰向け寝姿勢の時にはで頭のむきぐせを直すなどの保護者への指導
赤ちゃんの頭にゆがみがある場合に、フラットな面が下にならないように頭部の向きがえをすることが第一のステップになります。
頭の向きを直すことで進行をくい止めることができる場合もありますが、
むきぐせが強い場合には直しても直してもむきぐせがある方に戻ってしまうお子様も多いです。
②ストレッチなどの専門家による理学療法
海外では、むきぐせのあるお子様に対して専門家がストレッチを加えたりすることがあります。
ストレッチは筋肉を傷つけるリスクも伴うので、ストレッチは熟練の専門家によって行われるべきです。
③ヘルメット治療 ※当院では行っていません
アメリカの小児科学会や医師が発行している論文では、ヘルメット療法(もしくはヘッドバンド)の効果が紹介されています。
ヘルメット療法は、斜頭症に対して医療機関等で行われている一般的な治療法といえるかもしれません。
ヘルメット療法は、突出している部位のそれ以上の成長を抑え平らな部位にはスペースがあるため
その部分の成長は全く抑えられることがないため整形されるという理論です。
ヘルメット療法は、カスタムメイドで作られ一般的に一日に23時間×3カ月程度装着します。
その間も赤ちゃんの頭は成長し続けるので頭部の圧迫による副作用を避けるために毎週専門家を訪ねます。
アメリカでは費用はおよそ$1500-2500(およそ14万円-24万円)かかり保険は適応されないことがほとんどです。
④カイロプラクティックケアなどの手技療法
小さなお子様のカイロプラクティックケアには、より高度な知識と技術が求められます。
小児専門の教育とトレーニングを受け、経験豊かな施術者を選ぶべきです。
カイロプラクティックケアでは、徒手によって神経の働きや運動パターンを調整します。
むきぐせが緩和されて、本来のより良い方向への頭部の成長が促される可能性があります。
施術の回数と頻度は、お子様の月齢やお体の状態によっても異なります。まずは、ご相談ください。
斜頭症(赤ちゃんの頭形のゆがみ)は大きくなっても自然に治りません
頭の形のゆがみに気づき相談したら、頭の形は大きくなったら自然に治ると言われ待ったが、
治らなかったと、2歳3歳になって当院を訪れる方は決して少なくありません。
海外の文献でも以下のようなものがあります。
●一歳までに頭のゆがみが矯正されなければ大人になってもゆがみが残ると言われています。ある研究では成人の14%が頭のゆがみをもっていると報告しています。
●ある研究で(早期癒合症などによらないポジションの問題による)さまざまなタイプの頭の形のゆがみがある129人の赤ちゃんの経過を4歳まで追跡調査したところ、
斜頭症の赤ちゃん64人のうち42人は4歳になってもゆがみがありました。
●7000人以上の乳児を対象にしたオランダの研究では、
頭のゆがみがある乳児の45%は2歳になってもゆがみがあった
と報告しています。
●中には、斜頭症は多くの場合2歳までにゆがみがなくなると報告している論文などもありますが、
読み通してみると数値(基準)が甘く設定してあり、数ミリの違いを議論していたりします。
わかりやすく言うと、例えば身長何センチを背が高いと設定するか、ということです。
仮に身長180cm以上を背が高いと定義するなら、179.8cmの人は見た目には180cmの人とほとんど変わらなくても数値の上では背が高いと定義されません。
研究では、数値の設定によって結果も変わりうるのです。
この研究では、親御さんに頭のゆがみを改善するための日常生活のアドバイスが与えられましたが、
それでも、頭にゆがみがあるお子さんの約半数は2歳、4歳になってもゆがみがあるのです。
ですから、頭にゆがみがあるのに何も対策をとらないなら、頭のゆがみが永続する可能性はもっと高まるでしょう。