頭の形と健康
- 頭蓋にゆがみがあるお子様では、極端に頭囲が大きい又は小さい、極端にゆがんでいるなどの場合には注意が必要であり、
- 専門家による健康問題の評価が必要な場合もあります。
- 医学的な問題に起因しない、むきぐせなどの外力で頭部に局所的なプレッシャーがかかって形がゆがんでいる場合には、脳が圧迫されることはありません。
- ですから脳が重大なダメージを受けたりするような命に関わる問題ではありません。
- しかしながら、審美的問題にとどまらず、運動能力・コミュニケーション能力、学習能力など発達への影響が指摘されています。
- また、顎関節の非対称な発達が斜頭症に続いて起こるという報告もあります。
- 噛み合わせは頭痛や首の痛みなど全身のアンバランスや不調にも関わってきます。
斜頭症の発達への影響
- 赤ちゃんの時に頭の形にゆがみがあり心配していても、時が経つとハイハイし歩き、
- また、髪の毛が伸びて頭の形がカモフラージュされ、あまり形が目につかなくなるので、親御さんは子どもさんの頭の形を気にしなくなっていきます。
- 頭の形とIQは必ずしも比例しませんが、斜頭が子どもの発達にも影響する可能性があることが指摘されています。
- ● 2006年にアメリカのオクラホマ大学の医学部で行われた研究では、110人の乳児を対象に斜頭症の乳児とそうでない乳児の発達を比較しました。
- 斜頭症の児では知的発達、精神運動発達に遅れがある乳児が有意に多かったのです。また、斜頭症の児では秀でて発達している児は一人もいませんでした。
- ●ニュージーランドの頭蓋顔面専門クリニックで、100人の斜頭症の児と94人のそうでない児を比較した研究では、
- 発達の遅れがある割合は斜頭症の児の方が2.28倍高かったのです。
- ●アメリカのシアトルとワシントンでは頭の形のゆがみが残っている児の親に協力を依頼し調査したところ、
- 斜頭症の児63人中25人(39.7%)が小学校の学習において特別学習の補助、言語・作業・理学療法などの特別支援を受けていました。
- この割合は斜頭症でない兄弟たちが支援を受けている割合(91人中7人の 7.7%)に対して極めて高かったのです。